2020年4月 - 2023年3月
海外子会社のリストラクチャリングに関する実証研究
日本学術振興会 科学研究費助成事業 若手研究 若手研究
2021年度は前年度に引き続き海外子会社の撤退要因について、従来から先行研究で議論されている撤退(撤退によって発生する経営資源はリストラクチャリングではなく他の用途に用いられる)と子会社ネットワークのリストラクチャリングを目的とした戦略的撤退(撤退によって発生する経営資源はリストラクチャリングとして他子会社に統合される)という2つのタイプに着目し研究を実施した。
2つのタイプの撤退のメカニズムが異なることを明示することが本研究の目的であり、その点は前年度との変更点はないものの、2021年度はより広範かつ複眼的にアプローチすることを意図した。具体的には、2つのタイプの撤退を説明する要因として、経営資源の観点からの親会社の技術的知識と現地国における唯一の子会社であるか否か、企業内ガバナンスの観点からの国際ジョイントベンチャーか否かと本国からの駐在員の数、外部環境としての現地国の制度的環境と子会社地域特性の6点に焦点を当てて分析を実施した。先行研究におけるこれらの要因の議論では撤退のタイプが考慮されていないが、本研究では2つのタイプの撤退に与えるこれら6つの要因の影響が統計的に有意に異なることが明らかになった。
本研究の貢献は戦略的撤退の促進要因を従来から議論されている撤退との対比で示したことにあり、より包括的なアプローチを用いた点が新たな研究成果となる。これまでの先行研究ではデータの問題で子会社ネットワーク内のリストラクチャリングを目的とした戦略的撤退を分析することができなかったと考えられるが、本研究で用いているデータ上、先行研究で議論されている撤退と戦略的撤退の数はほぼ同等であり、リストラクチャリングを目的とした戦略的撤退に与える影響を明らかにした本研究は、今日的かつ実践的な示唆につながるものと考えられる。
2つのタイプの撤退のメカニズムが異なることを明示することが本研究の目的であり、その点は前年度との変更点はないものの、2021年度はより広範かつ複眼的にアプローチすることを意図した。具体的には、2つのタイプの撤退を説明する要因として、経営資源の観点からの親会社の技術的知識と現地国における唯一の子会社であるか否か、企業内ガバナンスの観点からの国際ジョイントベンチャーか否かと本国からの駐在員の数、外部環境としての現地国の制度的環境と子会社地域特性の6点に焦点を当てて分析を実施した。先行研究におけるこれらの要因の議論では撤退のタイプが考慮されていないが、本研究では2つのタイプの撤退に与えるこれら6つの要因の影響が統計的に有意に異なることが明らかになった。
本研究の貢献は戦略的撤退の促進要因を従来から議論されている撤退との対比で示したことにあり、より包括的なアプローチを用いた点が新たな研究成果となる。これまでの先行研究ではデータの問題で子会社ネットワーク内のリストラクチャリングを目的とした戦略的撤退を分析することができなかったと考えられるが、本研究で用いているデータ上、先行研究で議論されている撤退と戦略的撤退の数はほぼ同等であり、リストラクチャリングを目的とした戦略的撤退に与える影響を明らかにした本研究は、今日的かつ実践的な示唆につながるものと考えられる。
- ID情報
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- 課題番号 : 20K13597
- 体系的課題番号 : JP20K13597