2019年4月 - 2022年3月
二元的ネットワーク構造の循環によるパフォーマンス・モデルの提唱と実証
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
組織論分野の研究では、ネットワークの構造的な埋め込みと経路依存性が組織行動を形作っていることが知られている。本研究では、当初は、前者だけに着目をし、ネットワークを二元論的に分類、ネットワークが2つの形を時間の推移とともに循環的に移行するプロセスを解明しようとしていた。しかしながら、この着眼点だけではネットワークと歴史という2つの行動制約要因を網羅的に把握できないことから、経路依存性を加え、研究目的を発展させている。そして、組織は新しことを始めるよりも、今あるもの、既存のものを維持、持続させることが得意であり、これは、ネットワーク構築と学習パターンのいずれにも見られる。本研究では、このような慣性が持つ負の側面を低減し、正の側面を増長させるメカニズムを解明していく。我々の研究課題は、3つのサブ課題に分けて進めている。1つ目のサブ課題は、遺伝子組み換え作物に関するデータを用いた研究である。新しい市場においては、ラベル付けコンテストとでも呼ぶべき、名称に関する競争が発生している。誰がどのようなラベルの、どの時点で用いているのか、この問題を、ネットワーク、経路依存性の観点から明らかにし、新しい市場の成長メカニズムに関する新しい見方を提示したい。昨年度は、研究コンテクストの理解、および、データ収集の準備を行った。2つ目のサブ課題は、文化創造物、ラップ音楽市場に関するデータを用いた研究である。この研究では、ルート・コンセプトという概念を提唱し、新しい創造活動における歴史的な幹に関する見方を提示する。昨年度は、データの分析を行い、中間発表として位置づけで2回の学会発表を行った。3つ目のサブ課題は、経路依存性と埋め込みを50年以上の長期的な観点から捉え、企業の盛衰を説明するものであり、コンテクストの探索とデータベースの特定を行った。
- ID情報
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- 課題番号 : 19H01527
- 体系的課題番号 : JP19H01527
この研究課題の成果一覧
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論文
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PLOS ONE 17(7) e0270648-e0270648 2022年7月1日 査読有り筆頭著者責任著者