2019年3月
『篁物語』「橡の衣」についての考察 ―『うつほ物語』藤英から篁へ-
『国士舘人文学』
- 巻
- 号
- 9
- 開始ページ
- 137
- 終了ページ
- 145
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
『篁物語』の「橡の衣」という表現に注目した論文である。平安後期に書かれた『篁物語』で、主人公の篁が「橡の衣」を着用している場面がある。この場面は、平安中期に書かれた『うつほ物語』において、藤英という登場人物が「橡の衣」を着用している場面と類似している。このことを史料から確認すると、「橡の衣」は喪の衣ではなく、晴れの衣として着用していることが確認され、それが『篁物語』の表現にも影響している可能性を指摘した。