2016年3月
Everolimus blood concentrations did not predict interstitial lung disease in patients with metastatic renal cell carcinoma
TDM研究
- 巻
- 33
- 号
- 1
- 開始ページ
- 1
- 終了ページ
- 8
- 記述言語
- 英語
- 掲載種別
- 研究論文(学術雑誌)
- 出版者・発行元
- (一社)日本TDM学会
エベロリムス(EVE)投与(5〜10mg/日)を受けた転移性腎細胞癌患者22名のカルテを基に、間質性肺疾患(ILD)と定常状態のEVE血中濃度との関連を後ろ向きに検討した。EVEトラフ血中濃度は投薬8日目に測定し、血清乳酸デヒドロゲナーゼ(LDH)とKrebs von den Lungen 6(KL-6)の濃度も測定した。その結果、治療中に22名のうち7名にILDを認めた。その発症の中央値は158日で、この有害反応の重症度はグレードIが5名、グレードIIとIIIが各1名であった。これらの患者7名では血清LDHとKL-6の濃度がILD発症後に有意に上昇したが、EVEトラフ濃度の中央値はILD患者と非ILD患者の間で有意な差を認めなかった。以上より、転移性腎細胞癌患者のうち、EVE誘発性ILD患者では血清LDHとKL-6の濃度が有意に上昇するが、定常状態のEVE濃度からILDの発症を予測することはできないと考えられた。
- ID情報
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- ISSN : 0911-1026
- 医中誌Web ID : 2016310996