共同研究・競争的資金等の研究課題

2016年4月 - 2020年3月

第二次世界大戦期植民地兵の研究―植民地世界の戦争・労働・ジェンダー

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(A)
  • 永原 陽子
  • ,
  • 粟屋 利江
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  • Bhatte Pallavi
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  • 松田 素二
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  • 上杉 妙子
  • ,
  • 網中 昭世

課題番号
16H01940
配分額
(総額)
29,250,000円
(直接経費)
22,500,000円
(間接経費)
6,750,000円

第3年度の2018年度には、前年度末に行った国際会議の成果を踏まえ、それを発展させる各自の調査を行い、並行して成果論集の刊行に向けた準備を進めた。
調査として、南アフリカでの防衛相関係文書調査、イギリスでのインド省文書調査、インドでのグルカ兵関連資料調査および聞き取り調査、インド国民軍関連資料調査および聞き取り調査などを行った。また2019年1月には共催者として“International Symposium on African Potentials and the Future of Humanity”を開催した。
これまでの研究で、特に以下の点の重要性が明らかになった。① 戦時の労働動員のスキームは、植民地地域においては、そうではない地域とは異なり、多くの場合「戦争動員」という特殊な動員ではなく、平時の労働動員のそれの延長線上にあった。したがって、植民地住民にとっての「戦場」は「労働現場」の側面を強くもち、動員された人々の経験は地域と同様の「戦争経験」としてではなく、労働動員の戦時的特性としてとらえられる。② 第二次世界大戦期に①の現象が植民地間の強制的および自発的な人々の移動の問題と重なり合っており、それは「帝国」の範囲にとどまらなかった。このモビリティと第二次世界大戦後のナショナリズムに発展する動きとの相関が示される地域がある。③ 女性の性的動員(ここでの「動員」は狭義のそれのみでなく、形の上で「自発的」なものも含む)は、兵士の大量移動に付随する現象として「戦時」の特殊性を強く帯びたものであるが、地域社会のジェンダー関係、都市=農村関係との相関の点で、①②と同じく、戦前・戦後を含む時間軸の中で理解されるものであった。
以上につき、代表者はその編著『人々がつなぐ世界史』に、分担者・協力者は別表のとおりの学会発表ならびに論文に反映させた。

ID情報
  • 課題番号 : 16H01940