共同研究・競争的資金等の研究課題

2021年4月 - 2025年3月

地域類型論と文化圏の観点から見た中国語とベトナム語の文法対照研究

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)
  • 高橋 康徳

課題番号
21K00501
体系的課題番号
JP21K00501
配分額
(総額)
2,340,000円
(直接経費)
1,800,000円
(間接経費)
540,000円

まず、中国語の離合詞がベトナム語に借用された際にその文法的特徴がどのように受容されるのかについて考察を行なった。本研究課題の開始時点で既に収集済みのデータを用いて考察を行なったところ、中国語の離合詞が有する「構成素が分割可能である」という特徴はベトナム語に借用されるとほぼ完全に失われることが判明した。また、「中国語の離合詞は目的語の後続には強い制約が働く」という特徴についてもベトナム語で考察した結果、中国語とは別種類の制約が働いておりむしろ日本語の漢語との共通点があることが判明した。これら2つの考察に基づき、中国語からベトナム語に離合詞が借用された際は「離合詞」という語彙クラスを保持せずに複合語の動詞として再解釈されたという主張を提案した。
以上の研究成果をSEALS 30(The Southeast Asian Linguistics Society)でオンライン発表し、発表を通して得られたコメントを反映させた上で論文化してJSEALS(Journal of the Southeast Asian Linguistics Society) special edition(ハワイ大学出版社)に寄稿・公刊した。
上記の離合詞の考察を着手する際に「中国語とベトナム語は文法の類型は似ていても言語研究の伝統や体系が異なるため、同じ術語が中国語とベトナム語では異なる含意を持っており単純な比較が困難だ」という課題が新たに判明した。この課題を克服するには中越2言語における「言語学の術語と基礎概念」の整理・対照が必要であるため、言語学用語の収集・対照作業に着手した。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-21K00501
ID情報
  • 課題番号 : 21K00501
  • 体系的課題番号 : JP21K00501

この研究課題の成果一覧

論文

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MISC

  1

講演・口頭発表等

  1