共同研究・競争的資金等の研究課題

2016年4月 - 2020年3月

熱分解法によるプラスチック/木質バイオマス混合廃棄物の化学原燃料化の実現

日本学術振興会  科学研究費助成事業 若手研究(A)  若手研究(A)

課題番号
16H05893
体系的課題番号
JP16H05893
配分額
(総額)
24,180,000円
(直接経費)
18,600,000円
(間接経費)
5,580,000円

本研究は、既存のリサイクル技術では再資源化困難なプラスチック/木質バイオマス混合廃棄物を、高付加価値化合物に転換する新規熱分解プロセスを確立する。そのため、未だ明らかとなっていない、プラスチック/木質バイオマスの共熱分解機構および両物質間に生じる相互作用を解明する。さらに、両物質間に生じる相互作用のコントロールを実現し、混合廃棄物を高収率・高純度の高付加価値化合物に転換および回収することを可能とする。
上記目的の達成に向けて、平成29年度は、プラスチックとして最も需要があるポリエチレンと木質バイオマス主要3成分(セルロース・ヘミセルロース・リグニン)の急速共熱分解を実施した。ヘミセルロースおよびリグニンには前年度検討したブナ材から単離したキシランおよびmilled wood lignin(MWL)を使用した。ポリエチレンーセルロース、ポリエチレンーキシラン、ポリエチレンーMWLの急速熱分解時における相互作用、さらにはセルロースーキシランーMWL間の相互作用も検討した。管型反応器を用いた生成物回収試験および発生ガス分析法により共熱分解生成物のその場解析を実施し、その結果、平成28年度に報告した低速熱分解とは全く異なる相互作用が発言することを発見した。例えば、ポリエチレンーセルロース間の相互作用により、セルロース由来のレボグルコサンおよびポリエチレン由来のC2-C3炭化水素の収率の同時増大、キシラン熱分解による水・キシラン中アルカリ灰分・ポリエチレン由来炭化水素の反応によるH2+CO(合成ガス)の増加等である。今後の研究計画の肝となってくる、熱分解反応コントロールの実現に向けて大きな進展が見られた。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-16H05893
ID情報
  • 課題番号 : 16H05893
  • 体系的課題番号 : JP16H05893