2020年4月 - 2023年3月
核融合炉ダイバータ材ブレージング接合界面での照射欠陥を伴う熱的三次元組織変化解析
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
2021年度は、2020年度に作製した酸化物分散銅合金と純タングステン接合体について、界面構造の詳細について解析を行った。その結果得られた知見を以下に示す。
1.銅-タングステン界面においては透過電子顕微鏡を用いた解析から金属ろう材(ニッケル-リン化合物)とタングステンが反応した金属間化合物(NiW2)が形成していたことがわかった。収束イオンビームを装備した走査電子顕微鏡を用いたシリアルセクショニング法による三次元観察から、その厚みは750ナノメートル程度で界面を被覆するように分布していることが明らかとなった。さらに金属間化合物層と銅合金相の間にマイクロメートルスケールのボイドが形成しており、これはNiがCuへ固溶したことによるものと考えらえる。このボイドは界面割れの要因となることから、その抑制のため、今後は作製にホットプレス法よりも高い圧力付加が可能な熱間等方加圧焼結法を用いた界面の高密度化を検討している。
2.銅金内部については、界面から20のマイクロメートルの領域において結晶粒のわずかな粗大化ならびに粒内ひずみの低下、さらには粒の形状のアスペクト比減少がみられた。これは粒成長に伴うものと示唆されるが、ただ一方で、粒内に分散したアルミナ粒子により転位の移動を阻害しているような組織もみられ、その結果として大規模な粒成長が抑制されたものと考えられた。また粒内には8at%程度のニッケルが固溶していることに加え、粒界には粒界拡散によるものと示唆される先述のNiW2が形成していた。
1.銅-タングステン界面においては透過電子顕微鏡を用いた解析から金属ろう材(ニッケル-リン化合物)とタングステンが反応した金属間化合物(NiW2)が形成していたことがわかった。収束イオンビームを装備した走査電子顕微鏡を用いたシリアルセクショニング法による三次元観察から、その厚みは750ナノメートル程度で界面を被覆するように分布していることが明らかとなった。さらに金属間化合物層と銅合金相の間にマイクロメートルスケールのボイドが形成しており、これはNiがCuへ固溶したことによるものと考えらえる。このボイドは界面割れの要因となることから、その抑制のため、今後は作製にホットプレス法よりも高い圧力付加が可能な熱間等方加圧焼結法を用いた界面の高密度化を検討している。
2.銅金内部については、界面から20のマイクロメートルの領域において結晶粒のわずかな粗大化ならびに粒内ひずみの低下、さらには粒の形状のアスペクト比減少がみられた。これは粒成長に伴うものと示唆されるが、ただ一方で、粒内に分散したアルミナ粒子により転位の移動を阻害しているような組織もみられ、その結果として大規模な粒成長が抑制されたものと考えられた。また粒内には8at%程度のニッケルが固溶していることに加え、粒界には粒界拡散によるものと示唆される先述のNiW2が形成していた。
- ID情報
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- 課題番号 : 20K03899
- 体系的課題番号 : JP20K03899
この研究課題の成果一覧
絞り込み
講演・口頭発表等
5-
日本金属学会第170回春季講演大会 2022年3月15日
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日本物理学会2021年秋季大会 2021年9月22日
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日本顕微鏡学会第77回学術講演会 2021年6月16日
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第168回日本金属学会春期講演大会 2021年3月18日
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31st Symposium on Fusion Technology 2020年9月24日