共同研究・競争的資金等の研究課題

2016年4月 - 2020年3月

RNA-seqを用いた複雑核型を呈する造血器腫瘍の遺伝子異常の同定と機能解析

日本学術振興会  科学研究費助成事業  基盤研究(C)

課題番号
16K09860
体系的課題番号
JP16K09860
配分額
(総額)
4,680,000円
(直接経費)
3,600,000円
(間接経費)
1,080,000円

1.造血器腫瘍におけるRNA-seq解析の症例追加。新たに追加解析した症例として、複雑核型を有した急性骨髄性白血病3検体、ユニークな形質を有した急性骨髄性白血病3検体、初診時と再発時の保存検体がある1例(2検体)、新たに樹立した細胞株2検体、リンパ系腫瘍2検体の計12検体についてRNA―seq解析を行った。得られたシークエンスデータにつきコンピューター解析を進めている。
2.データの解析手法の改善。ショートリードのデータ解析用のソフトとして、市販のCLC genome workbenchとTopHat-Fusionを主に解析を進めてきたが、さらに昨年度からオープンソースの融合遺伝子解析ソフトdeFuseも使い、複数の解析ソフトで多面的な解析を進めている。
3.新規融合遺伝子の機能解析。RUNX1-GRIK2(RG)融合遺伝子を導入したマウスIL3依存性白血病細胞株32Dを用いて機能解析を進めた。12番染色体に異常の見られた2症例から見出したETV6-IAPPおよびETV6-ABCC9融合遺伝子についての遺伝子異常の構造解析を行った。また、GFPとの融合遺伝子を作成しタンパクとしての発現解析を行った。
4.三重転座、t(8;12;21)(q22:p12;q22)を示したRUNX1-RUNX1T1陽性AMLにおけるTM7SF3-VPS13BおよびVPS13B-RUNX1融合遺伝子の解析を論文発表した。VPS13Bは先天異常であるコーエン病の責任遺伝子として知られている。コーエン病では好中球減少と骨髄における顆粒球の左方移動が生じるが、この症例ではRUNX1-RUNX1T1陽性AMLに比べ分化傾向が減弱しており、VPS13Bの破壊が白血病の表現型に影響を与えている可能性が考えられた。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-16K09860
ID情報
  • 課題番号 : 16K09860
  • 体系的課題番号 : JP16K09860

この研究課題の成果一覧

論文

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