唇顎口蓋裂(CL/P)の予防に対するミルク摂取の効果について検討した。実験群のA/Jマウスには受精前から2週間以上食餌に加えてミルクを摂取させた。実験群の着床数は129(平均6.8±2.10)で、生存胎児数は111(86.0%)、死亡/吸収胎児数は18(14.0%)であった。対照群は着床数が147(平均8.1±1.96)で、生存胎児数は129(87.8%)、死亡/吸収胎児数は18(12.2%)であった。CL/Pは実験群で11(9.9%)、対照群で12(9.3%)同定し、両群のCL/Pの全発生率に有意差はなかった。裂型に関しては唇顎口蓋裂が11(9.9%)、口蓋裂のみは0(0%)であった。対照群では唇顎口蓋裂が8(6.2%)、口蓋裂のみは4(3.1%)であった。これらの結果から、ミルク摂取マウスから口蓋裂のみを有する胎児が生まれなかったため、ミルクなどの日常的な産物が唇顎口蓋裂の予防に役割を果たす可能性が示唆された。