論文

2019年5月

体重減少と著明な電解質異常を呈し遺伝性塩類喪失性尿細管機能異常症が疑われた9ヵ月児例

日本小児体液研究会誌
  • 近藤 朋実
  • ,
  • 池住 洋平
  • ,
  • 松本 祐嗣
  • ,
  • 横井 克幸
  • ,
  • 中島 葉子
  • ,
  • 熊谷 直憲
  • ,
  • 伊藤 哲哉

11
開始ページ
41
終了ページ
45
記述言語
日本語
掲載種別
出版者・発行元
日本小児体液研究会

症例は9ヵ月男児。当院初診の約3ヵ月前に熱源不明の発熱で近医に入院治療を受け、その後2ヵ月間で約1.5kgの体重減少と活気不良を認めたため精査加療目的で当科紹介受診した。初診時、脱水兆候と無呼吸発作がみられ、血液検査で著明な電解質異常と代謝性アルカローシス、高レニン・高アルドステロン血症を認めた。入院後に直ちに電解質補正を実施し徐々に全身状態、検査値とも改善した。輸液中止後も電解質が正常であることを確認して退院とした。しかし退院1ヵ月後に誘因なく同様の活気不良、電解質異常と代謝性アルカローシスを生じ、再び入院治療を行った。Bartter症候群(BS)・Gitelman症候群(GS)など遺伝性塩類喪失性尿細管機能異常症を疑い遺伝子解析を行ったところCLCNKAにヘテロでの変異を認めたが、既存の病型分類には当てはまらずBS/GSは否定的と考えられた。一方、本例は発症の約3ヵ月前に熱源不明の発熱で入院治療を行った後から体重減少を認めており、腎盂腎炎や尿細管間質性腎炎などの感染症、もしくは薬剤性による間質性腎炎に伴う広汎な尿細管障害をきっかけとする慢性的な電解質異常や哺乳不良の結果、偽性BSを呈した可能性が考えられた。(著者抄録)

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