共同研究・競争的資金等の研究課題

2017年4月 - 2020年3月

可視・赤外光を有効利用する金プラズモニック光触媒による高度物質変換反応

日本学術振興会  科学研究費助成事業 若手研究(A)  若手研究(A)

課題番号
17H04967
体系的課題番号
JP17H04967
配分額
(総額)
23,270,000円
(直接経費)
17,900,000円
(間接経費)
5,370,000円

本研究では,金粒子の粒径,金属酸化物上への接合状態を制御すること,また,異種金属(助触媒)を巧みに組み合わせることにより,光応答性制御による広範囲な可視光吸収の達成を目指す.交付申請書の「研究実施計画」には「金プラズモニック光触媒による水分解反応」を記載した.プラズモニック光触媒を用いた水の分解反応において,水の酸化反応による酸素生成反応の活性の低さが課題となっていた.当該年度は水の酸化反応に着目し,進めた.
【具体的内容】
金粒子を様々な方法(光析出法,析出沈殿法,コロイド光電着法)で酸化チタン上に担持し,さらに光析出法を用いて遷移金属種(クロム,鉄,ニッケル等)を担持することで金コア-遷移金属種シェルを作製した.この中でクロム種を修飾した金コア-酸化クロム種シェル担持酸化チタンを水の酸化反応に用いたところ,金単独のサンプルよりも高い活性を示し,担持量を制御することで,約2.5倍の活性となった.この反応中におけるクロム種の役割については現在調査中である.参考文献を基に酸化クロム種の役割を正孔移動層もしくは電子移動層であることを予想した.この場合の酸化反応サイトを探索する実験を含め,現在,電気化学測定を実施することで役割の理解を行っている.
【意義・重要性】
以上の結果より,金粒子上に適切な酸化物層を形成することにより,酸化反応活性が上昇した.これにともない水分解反応活性の上昇が期待できる.しかし,水分解反応には還元反応サイトの助触媒も必要であり,調製法を工夫する必要があるが,これまでの知見を駆使することで可能であると予想する.

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-17H04967
ID情報
  • 課題番号 : 17H04967
  • 体系的課題番号 : JP17H04967