Research Projects

Apr, 2018 - Mar, 2021

日本の乳幼児死亡率等改善の歴史を活用した国際保健教材の開発

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

Grant number
18K10520
Japan Grant Number (JGN)
JP18K10520
Grant amount
(Total)
4,290,000 Japanese Yen
(Direct funding)
3,300,000 Japanese Yen
(Indirect funding)
990,000 Japanese Yen

2019年度において、本研究班は、既存の知見をまとめて公表することに留意した。
研究代表者高橋班は、公開データより日本の乳児死亡率のグラフを作成し、その経緯から、国民皆保険制度(1961年に達成)や高度経済成長(1954ー1973年)以前に日本の乳児死亡率の低減がはじまっていることを明らかにした(高橋班)。この低減理由としては、現時点では生態学的推測に過ぎないが、保健医療人材(専門職としての保健婦、助産婦、ボランティアとしての愛育班、母子保健推進員)等の活動と、保健医療以外の専門職(生活改良普及員等)のコミュニティでの活躍が影響しているとの見解で、研究班は一致した。
一方で、聞き取り調査も確実に行い、沖縄(豊川、小林、中村班)、島根(神田、福田班)の戦後の保健婦(当時呼称、現在の保健師)の育成経緯等に関しても結果を得ることができ、学会発表も行った(公衆衛生学会、2018年10月、福島)。
また、中村班は独自に文献調査等を進め、日本の母子健康手帳の導入経緯等の学会発表、日本の戦後の公衆衛生活動とプライマリ・ヘルス・ケアの類似点等の書籍化等を行ってきた。
これらの研究成果の中間報告の検討のために、2018年10月には福島県で班会議をおこなった。班会議の席上、中村班より、日本のGHQ占領次期の公衆衛生指導に関する思想的なバックグラウンドが発表され、「民主党的な公正な健康の実現」がその基本にあったことが共有された。
*研究分担者 豊川紀子は、旧姓當山紀子で研究を発表しているため、業績への記載は當山紀子で記載している。

Link information
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-18K10520
ID information
  • Grant number : 18K10520
  • Japan Grant Number (JGN) : JP18K10520