共同研究・競争的資金等の研究課題

2010年4月 - 2013年3月

ビーミング推進機における電磁波ビームの爆風波へのエネルギー変換過程の解明

日本学術振興会  特別研究員奨励費  特別研究員奨励費

課題番号
10J05484
体系的課題番号
JP10J05484
担当区分
研究代表者
配分額
(総額)
2,100,000円
(直接経費)
2,100,000円
(間接経費)
0円
資金種別
その他

今後の宇宙開発の発展に不可欠となる大量物資輸送の低コスト化を目指し,外部からの電磁波ビーム照射により供給されるエネルギーを推力に変換するビーミング推進機「マイクロ波ロケット」を提案している.これを高性能化させるためのエネルギー変換物理解明が本研究課題である.エネルギー源からの出力形態である「電磁波ビーム」と,推力を直接的に機体に与える「爆風波」との間のエネルギー変換過程を解明することは,ビーミング推進機における入出力関係を明らかにすることに相当する.
(1)「ミリ波ビームの電力密度空間分布に依存したプラズマ・衝撃波伝播構造の変化と,そのときのマイクロ波ロケットの推力変化」という前年度に得た結果を踏まえ,「フィラメント構造を形成する大気圧ミリ波プラズマの数値計算」コードを開発し,物理モデルについて検討した.入射電磁波の空間分布および電離モデルを改良し,進展形状と速度について実験結果に沿う一定の成果を得た.(2)最終年度における設計実証として,現在実施可能なビーミング推進機の最高性能をマイクロ波ロケットによって示すことを試みた.すなわち「1MW級ジャイロトロン一基によるkg級推進機の打ち上げ実証」である.ビーム伝送距離3mにおけるkg級推進機打ち上げ実験系をセットアップしたが,飛翔には至らなかった.原因を次の二点に絞り込んだ.飛行実証における時間スケール(50発照射時)では,パルス間の換気時間が不十分なときに放電開始位置が変動する現象が支配的となり,前年度に得た推力30N(0.2m伝送,5発照射)を定常的に維持できなかった.また,ビーム伝送後の再集光部においてビーム強度分布が偏ったため流体の加熱率を下げ,単パルスでの力積低下を招いた.一方で,並行して開発を進めてきた自発的作動によるリード弁式吸気機構は,50発照射時の力積回復効果を確認した.

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-10J05484
ID情報
  • 課題番号 : 10J05484
  • 体系的課題番号 : JP10J05484