1996年 - 1997年
帝国の周縁から見る19世紀英文学(ユダヤ人,「ジプシー」,アイルランド人)
文部科学省 科学研究費補助金(萌芽的研究) 萌芽的研究
- 課題番号
- 08871051
- 体系的課題番号
- JP08871051
- 担当区分
- 研究代表者
- 配分額
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- (総額)
- 1,800,000円
- (直接経費)
- 1,800,000円
- (間接経費)
- 0円
- 資金種別
- 競争的資金
本研究は、ユダヤ人、「ジプシー」、アイルランド人などの、非定住民や周縁に位置する人々に焦点を合わせて、19世紀英文学に新たな見方を提供する試みであった。「大英帝国」の形成とともに、ますます周縁に追いやられていった人々に着目し、いわば「周縁」の側から19世紀英文学の見直しを行うものであり、さらには、帝国(中心)対周縁という二分法そのものの問直しへと向かった。また、非定住民や周縁人が、19世紀末以降のアイルランド文芸復興運動や20世紀のモダニズム文学へとつながる重要なモチーフであることも明らかにした。平成8年度は、主に、19世紀英文学の作品テクストにあらわれる周縁性を綿密に調査し、分析していった。具体的には、マシュー=ア-ノルド、ジョージ=ボロウ、ジョージ=エリオット、ベンジャミン=ディズレイリ、アントニ-=トロローブなどの詩、小説、評論等を読み進めて、周縁人への彼らの関わり方の度合やその時間的変化、テクスト間の(英国という枠をしばしば超えた)影響関係を調べた。平成9年度は、19世紀英文学の作品分析を、フェミニズム批評やポスト=コロニアル批評を取り入れながら続行すると共に、アイルランド(人)により重点を置いた研究を行った。すなわち、「ジェンダー」、「人種」、「ナショナリズム」、などの観点から、サ-=ウォルター=スコットやチャールズ=ディケンズらの作品における「非定住民・周縁人」像を、具体的に分析・整理しただけでなく、アイルランド文芸復興運動期の作品についても、同様の作業を行った(グレゴリイ夫人、W.B.イェーツ.J.M.シングらの文学作品テクスト)。
- リンク情報
- ID情報
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- 課題番号 : 08871051
- 体系的課題番号 : JP08871051