論文

2020年12月

認知症高齢患者の身体抑制実施における家族の思い 配偶者と実子に焦点を当てて

郡上市民病院年報
  • 高原 さおり
  • ,
  • 佐藤 久美子
  • ,
  • 小木曽 加奈子
  • ,
  • 今井 七重

17
1
開始ページ
145
終了ページ
149
記述言語
日本語
掲載種別
出版者・発行元
郡上市民病院

患者の権利と安全を確保した上で、初めて身体抑制された患者の家族はどのような思いを抱いているのかアクティヴ・インタビュー調査で明らかにし、少しでも家族の意向に沿える看護の実践を目指したいと考えた。対象は、A病院の一般病棟の抑制されている認知症高齢者患者(75歳以上)の同居している家族(実子、配偶者)3名とした。認知症高齢者患者の身体抑制実施(安全ベルト)による家族の思いの実態は、以下、四つのカテゴリー、12のサブカテゴリーから構成された。「身体抑制を受け入れるという選択肢しか選べない」は、「入院中もトイレで排泄をしたいという強い思いが危険行動へつながる」、「抑制しても治療をしてほしいという家族の願い」、「抑制に対する家族の理解」のサブカテゴリーから成った。「入院生活による認知機能の悪化」は、「入院前の認知機能の課題」、「入院しても認知機能が保持」、「入院前から認知機能の低下があり、入院により進行」、「記憶力の低下」、「入院によって親しい人が認識できなくなった」のサブカテゴリーから成った。「介護の負担」は、「家族の協力が得られず介護は高齢の妻の役割」、「家族の協力が得られず介護は高齢の妻の役割」、「代わりとなる介護者が不在」のサブカテゴリーから成った。「社会資源の活用」は、「在宅での暮らしでのデイサービスの利用」、「自宅退院の福祉用具の利用」のサブカテゴリーから成った。

ID情報
  • ISSN : 2187-6398
  • 医中誌Web ID : 2021202638

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