2020年1月
植物性エストロゲン配合の健康食品が一因と考えられた門脈血栓症の1例
岐阜県内科医会雑誌
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- 巻
- 33
- 号
- 1
- 開始ページ
- 29
- 終了ページ
- 33
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 研究論文(学術雑誌)
- 出版者・発行元
- 岐阜県内科医会
49歳男性。腹部膨満感と黒色便を主訴とした。植物性エストロゲンを含んだ「プエラリア・ミリフィカ」を主原料とした健康食品を常用していた。造影CTで上腸間膜静脈分枝から脾静脈、門脈本幹、門脈右枝・左枝と広範囲に亘る血栓形成を認めた。血液検査でFDP、Dダイマー、CRPが高値を示し、線溶系の亢進と炎症反応の上昇を認めた。門脈血栓症と診断し、健康食品の服用を中止した。また、抗凝固療法(ダナパロイドナトリウム2500U/日、静脈内注射)を開始し、2週後に血栓が縮小した。その後、エドキサバンの経口投与に変更し、61日後に血栓が完全消失し、FDP、Dダイマー、CRPが正常化した。患者の希望で健康食品の内服を再開したが、エドキサバンは継続した。退院後1年の現在、血栓の再燃や消化管出血等の合併症を認めていない。
- ID情報
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- ISSN : 0914-2762
- 医中誌Web ID : 2020182457