基本情報

所属
愛媛大学医学部附属病院 総合臨床研修センター (センター長)
学位
医学博士(愛媛大学)

J-GLOBAL ID
201601009841457162
researchmap会員ID
7000014835

外部リンク

私は1995年に愛媛大学を卒業し、「ゼッケン医師」を目指して愛媛大学第3内科、済生会今治病院および町立津島病院で研鑽を積みました。1999年からは愛媛大学第3内科「肝臓グループ」において専門診療に携わり、その奥深さを学びました。一方で、激務の中で一人の医師として社会に貢献するには、診療のみでは限界があることを実感するようになりました。そのような中、基礎実験に取り組むとともに、診断基準やガイドライン策定に関わる臨床研究を遂行できたことは、視野を広げるうえで非常に貴重な経験となりました。

2005年の学位取得後、2006年2月にカナダへ渡り、トロント大学での診療に従事する傍ら臨床研究の醍醐味に魅せられ(Am J Gastroenterol 2010, Hepatology 2010, Clin Gastroenterol Hepatol 2014, J Hepatol 2014, Gastroenterology 2014, Gastroenterology 2015, Gut 2016ほか)、医学教育の違いも目の当たりにしながら4年弱を過ごしました。

2009年11月に帰国し、講師として第3内科「胆膵グループ」を率いることになり、新たな分野への挑戦となりました。翌年には愛媛胆膵疾患研究グループ(Ehime Pancreato-cholangiology: EPOCH)Study Groupを結成し、日本膵臓病研究財団膵臓病研究奨励賞(2011年)をいただき、膵癌の臨床研究に着手しました。結成10周年目には成果が挙がり、愛媛大学大学院医学系研究科最優秀論文賞(2020年)と愛媛医学会賞(2021年)を受賞しました(Mayo Clin Proc 2019)。自己免疫性膵炎に関しては、国際共同研究も実施してきました(Gastroenterology 2012)。

2013年9月には准教授として地域医療学講座へ異動し、卒前教育に関わる機会がますます増えました。さらには、2020年4月には総合臨床研修センター長を拝命しました。業務が卒前教育から卒後教育にシフトし、医学生との時間は減りましたが、当センターの強みであるシミュレーション教育を通じて、卒前教育にも引き続き関わっています。

コロナ禍でシミュレーション教育が注目を集める中、本学では「ピンチをチャンスに」を合言葉に、チーム一丸となって様々な挑戦を行ってきました。具体的には、入学後の早期医療体験「シミュレータ実習」(医学科1年生)、解剖実習中の水平統合型実習「スーパードクター養成コース」(医学科2年生)、感染症医療人材養成事業(文部科学省)「シミュリンピック週間」(医学科5年生)のカリキュラムへの導入です。これらの成果が注目され、学会入会から間もないにもかかわらず、大会長として第12回日本シミュレーション医療教育学会学術大会(2024年11月開催)を主催する機会をいただきました。奇しくも、医学生が受験すべき共用試験(CBT, OSCE)の公的化の時期と重なり、医療安全を意識した手技修得の必要性が高まる中での開催となりました。

研修医に対しても、のびのびと学べる環境づくりを推進しており、彼らの声を拾い上げながら、「研修医による研修医のための勉強会(KKB)」や、実践的な「ハンズオンセミナー」を各診療科のご協力のもと実施しています。大学病院では経験しにくい一次・二次救急診療については、帯同する大学病院指導医のもと、近隣医療機関で救急診療支援研修に従事してもらっています。「コロナ診療への従事(重症患者対応、ワクチン接種業務)」を通じて社会貢献を行うとともに、研修医の収入確保にも努めてきました。

さらに、総合臨床研修センターは研修医のみならず、医療人材の育成全般を担うことも期待されており、現在では屋根瓦式教育や多職種連携を推進しています。2022年からは看護師を対象としたファシリテーター育成コースを開講し、修了生が現場で活躍しています。現在ではさらに対象職種を広げ、多くの修了生が指導者として現場で活躍しています。これらは、本学が第4期中期計画(文部科学大臣認可)において掲げている「各部署と連携し、医療技術の習得や医療安全推進のためのシミュレーション教育を担当する人材を養成することにより、質の高い医療人を育成する」という目標に応える取り組みです。

実は、私は卒後7年目にして、「教育こそ、出会うことのない人々に役立てる潜在能力を持つ」ことに気付き、母校一筋では初となる海外医師免許取得後の診療経験を母校にフィードバックする決意のもと、出国しました。振り返ると、この時点で既に将来のレールは敷かれていたのかもしれません。しかし、学生時代には現在のような働き方は想像もできませんでした。

ゼッケン医師(総合内科)→消化器内科(特に肝疾患)→海外診療(医学英語)→消化器内科(特に膵疾患)→地域医療(総合診療科)→医学教育→シミュレーション教育。数年ごとの新たな挑戦でしたが、「知るは楽しみなり、知るは喜びなり」の気持ちで取り組むうちに、医学生の投票によるBest Teacher賞の常連となっていました。そして、臨床研修制度の導入以来(2004年)、20年ぶりとなる医師法の改正(前述の共用試験公的化)に際し、特にOSCEの指導に真剣に取り組んでいたところ、Best Teacher賞受賞10回を記念して、Best Teacher特別賞をいただきました(2025年2月)。

これからも、多岐にわたる分野での経験を活かし、医学生・研修医・若手医師のみならず、あらゆる若手世代に熱意をもって伝えていく所存です。そして、歴代センター長が築き上げてきた伝統を守りつつ、若手医療人の「Best Teacher」であり続けるために、メンタルヘルスケアとアカデミアの両面にも注力してまいります。


学歴

  1

主要な論文

  212

主要な共同研究・競争的資金等の研究課題

  13

主要なメディア報道

  20

学術貢献活動

  1

委員歴

  15

MISC

  21