2020年4月 - 2023年3月
抗炎症光線を用いた癌微小環境制御に基づく新しい大腸癌治療法の開発
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
「抗炎症光線を用いた癌微小環境制御に基づく新しい大腸癌治療法の開発」
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これまでの研究ではin vitroでの癌細胞(MKN45, MKN45p)に対する5-ALA(5-アミノレブリン酸)を加えた培地での抗炎症光線照射にて殺細胞効果を認めた。生体環境での光線の透過性低下を補える殺細胞効果を得るため、5ALAに波長の異なるレーザー照射を用いて癌細胞の殺細胞効果の評価実験を行い、赤色のレーザ一波長において殺細胞効果が得られた。しかしながら光線照射域が狭いため殺細胞効果の評価が現実験系では安定せず今後の克服すべき課題と認識している。対策としてガルバノミラーを用いた光線照射装置を準備し、現在照射実験を繰り返し、評価条件の最適化を行っているところである。
その一方で今年度は癌微小環境という癌治療抵抗性に関わる因子を実験環境で再現すべく、癌細胞(ヒトmucinous carcinoma, signet - ring cell carcinoma) および正常腸管上皮細胞のオルガノイドの構築を行い、それぞれのオルガノイド作成に成功した。複数種の細胞を同時に培養して構築するオルガノイドは癌細胞周囲細胞からの癌増殖や抑制に関わるシグナルを刺激するリガンドや癌細胞攻撃因子の防御に関わるタンパク産生など、通常の細胞培養環境より生体に近い環境が再現できるとされており、オルガノイドを用いた治療効果判定はより臨床実験に近い結果が得られることが期待されるため、オルガノイドにおける癌の殺細胞効果が得られれば微小環境での光線照射による癌抑制効果の証明が期待できる。
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これまでの研究ではin vitroでの癌細胞(MKN45, MKN45p)に対する5-ALA(5-アミノレブリン酸)を加えた培地での抗炎症光線照射にて殺細胞効果を認めた。生体環境での光線の透過性低下を補える殺細胞効果を得るため、5ALAに波長の異なるレーザー照射を用いて癌細胞の殺細胞効果の評価実験を行い、赤色のレーザ一波長において殺細胞効果が得られた。しかしながら光線照射域が狭いため殺細胞効果の評価が現実験系では安定せず今後の克服すべき課題と認識している。対策としてガルバノミラーを用いた光線照射装置を準備し、現在照射実験を繰り返し、評価条件の最適化を行っているところである。
その一方で今年度は癌微小環境という癌治療抵抗性に関わる因子を実験環境で再現すべく、癌細胞(ヒトmucinous carcinoma, signet - ring cell carcinoma) および正常腸管上皮細胞のオルガノイドの構築を行い、それぞれのオルガノイド作成に成功した。複数種の細胞を同時に培養して構築するオルガノイドは癌細胞周囲細胞からの癌増殖や抑制に関わるシグナルを刺激するリガンドや癌細胞攻撃因子の防御に関わるタンパク産生など、通常の細胞培養環境より生体に近い環境が再現できるとされており、オルガノイドを用いた治療効果判定はより臨床実験に近い結果が得られることが期待されるため、オルガノイドにおける癌の殺細胞効果が得られれば微小環境での光線照射による癌抑制効果の証明が期待できる。
- ID情報
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- 課題番号 : 20K09014
- 体系的課題番号 : JP20K09014