共同研究・競争的資金等の研究課題

2019年4月 - 2022年3月

ジアゾカルボニル化合物を鍵モノマーとする多成分縮合重合系の開発

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
19K05586
体系的課題番号
JP19K05586
担当区分
研究代表者
配分額
(総額)
4,290,000円
(直接経費)
3,300,000円
(間接経費)
990,000円

本研究では、「ジアゾカルボニル化合物を鍵モノマーとする多成分縮合重合系の開発」と題し、ジアゾカルボニル化合物の多様な反応性に基づく新規多成分重合系の開発を目的としている。さらに、生成するマルチコンポーネントポリマーの構造に着目した物性評価を行い、新規な生分解性ポリマーやπ共役系ポリマーとしての応用の可能性を探索することを目的としている。
我々の研究グループでは以前、O-H挿入反応を素反応とする二官能性ジアゾカルボニル化合物(AA型モノマー)・ジオール(BB型モノマー)・環状エーテル(C型モノマー)の3成分縮合重合によってポリ(エーテルケトン)の合成に成功している。このような背景のもと本年度は、一分子中にジアゾカルボニル基とヒドロキシ基の両方を有するAB型モノマーを新たに設計し、その重合を環状エーテル(C型モノマー)中で行うことで新しいタイプのポリ(エーテルケトン)の合成を試みた。
モノマーとして用いる一分子中にジアゾカルボニル基とヒドロキシ基の両方を有する化合物の合成例はこれまでにほとんど皆無のため、まずはじめにモノマー合成法の開発を目指した。その結果、フェニル基上にジアゾカルボニル基とヒドロキシ基の両方を種々の位置(オルト、メタ、パラ)に有する化合物の合成手法の確立に成功した。また、生成ポリマーの溶解性を確保するための工夫として、ヘキシル基などのアルキル基の任意の位置への導入も可能となった。これらの成果は、当該申請研究においてモノマーとして用いることができるだけでなく、広く有機合成に活用できる可能性があるため、有機化学分野の発展への寄与も期待できる。
現在、これらの合成したモノマーを用いた重合反応について検討しているところである。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-19K05586
ID情報
  • 課題番号 : 19K05586
  • 体系的課題番号 : JP19K05586