2017年6月 - 2022年3月
水惑星学創成に向けた分子地球化学分析
日本学術振興会 科学研究費助成事業 新学術領域研究(研究領域提案型) 新学術領域研究(研究領域提案型)
水惑星の水-岩石系に存在する自由エネルギーや化学ポテンシャルの勾配は生命を生み出す原動力である。そのため、そのエネルギー勾配を支配する水環境の物理化学的条件を復元することは、水惑星と生命の関係を探るうえで本質的課題である。この物理化学条件は、異なる種類の水-岩石反応を引き起こすので、当時の水環境の情報は岩石の鉱物組み合わせや元素濃度組成、同位体比、元素の化学種に記録されていることが期待される。本研究課題では、水環境の情報を的確に反映する分子地球化学プロキシを開発するとともに、惑星物質から必要な化学情報を引き出してプロキシによる環境推定ができる分析体制を確立することを目的とする。
平成29年度はX線顕微鏡専用ビームラインの構築と、水惑星の表層環境推定のためのプロキシ開発を行った。
(1)ビームライン構築: 高エネルギー加速器研究機構(KEK)のPhoton Factory BL-19にX線顕微鏡への利用を目的としたビームラインを設置するため、ビームライン光源・分光の主要設備(アンジュレータ)の開発を進めた。
(2)地球化学プロキシ開発: 準安定炭酸塩鉱物の鉱物組み合わせよりアルカリ塩水環境の水質を復元する手法 (Fukushi et al. 2017GCA)、スメクタイトの層間陽イオン組成を利用した水質復元法の開発、微量元素濃度比を用いた酸化還元状態プロキシ(Mo/W比など; Watanabe et al.2017Chem.Geol.)、微量元素同位体比による酸化還元状態プロキシ(Nakada et al.2017GCA)などの開発を行った。
平成29年度はX線顕微鏡専用ビームラインの構築と、水惑星の表層環境推定のためのプロキシ開発を行った。
(1)ビームライン構築: 高エネルギー加速器研究機構(KEK)のPhoton Factory BL-19にX線顕微鏡への利用を目的としたビームラインを設置するため、ビームライン光源・分光の主要設備(アンジュレータ)の開発を進めた。
(2)地球化学プロキシ開発: 準安定炭酸塩鉱物の鉱物組み合わせよりアルカリ塩水環境の水質を復元する手法 (Fukushi et al. 2017GCA)、スメクタイトの層間陽イオン組成を利用した水質復元法の開発、微量元素濃度比を用いた酸化還元状態プロキシ(Mo/W比など; Watanabe et al.2017Chem.Geol.)、微量元素同位体比による酸化還元状態プロキシ(Nakada et al.2017GCA)などの開発を行った。
- ID情報
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- 課題番号 : 17H06458
- 体系的課題番号 : JP17H06458