2021年6月
日本の近現代建築史研究では何を「資料」とみなしてきたか──建築資料論としての研究素材の通覧と類型化
日本建築学会計画系論文集
- 巻
- 86
- 号
- 784
- 開始ページ
- 1815
- 終了ページ
- 1826
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 研究論文(学術雑誌)
- DOI
- 10.3130/aija.86.1815
- 出版者・発行元
- 日本建築学会
本論の目的は、建築資料の整理法が確立されていないために未処理の資料が多く隠れたコレクションとして存在している可能性がある日本において、日本の建築史研究で研究素材とされてきた「建築資料」について、アーカイブズ学の有効範囲を明らかにすることである。そのために、はじめに、1980年代から現在までを三つのフェーズに分けて、日本の建築分野における記録の調査や整理を通覧した(第2章から第4章)。次に、歴史学と考古学とにおける資料タイプとの比較によって、「建築資料」を体系的に類型化して(第5章)、最後に、「建築資料」の類型毎に、アーカイブズ学に基づく整理法の有効性を検討した(第6章)。考察の結果、建築史研究者や建築設計者が作成する記録に対して、アーカイブズの整理法による高い有効可能性を明らかにした。ただし、記録の(i)作成者の活動、(ii)所有者、(iii)作成年代により、例外が生じる点こともある。
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- ID情報
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- DOI : 10.3130/aija.86.1815