2009年
LIC1遺伝子は非宿主抵抗反応における細胞死制御に関与している
日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
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- 巻
- 2009
- 号
- 0
- 開始ページ
- 235
- 終了ページ
- 235
- 出版者・発行元
- 日本植物生理学会
シロイヌナズナの<I>PEN2</I>は、うどんこ病菌への非宿主抵抗性に必要な遺伝子として分離されたが、本遺伝子は、炭疽病菌を含む他の病原菌への抵抗性にも関与する。本研究では、非宿主抵抗性に関わる新たな因子を単離するため、シロイヌナズナを宿主としない炭疽病菌(不適応型)の接種により壊死斑を形成する<I>lic</I>変異体を探索した。その結果、同一遺伝子座に変異がある3種の変異体(<I>lic1</I>)の分離に成功した。<I>lic1</I>変異体においては、<I>pen2</I>変異体とは異なり、不適応型の炭疽病菌による侵入上昇は見出されず、壊死斑形成は菌の侵入に依存しないと推定された。ポジショナルクローニングの結果、MACPFドメインを有する機能未知タンパクをコードする遺伝子が<I>LIC1</I>であることが明らかとなった。矮性および自発的壊死斑形成を示す<I>nsl1</I>変異体が同遺伝子へのトランスポゾン挿入変異体であることが報告されていたが、その表現型は<I>lic1</I>変異体とは著しく異なっていた。また、<I>lic1 pad4</I> および<I>lic1 eds16</I> 変異体では壊死斑形成が軽減され、サリチル酸経路の関与が示唆された。興味深いことに、<I>lic1 pen2</I>変異体においても、壊死斑の軽減が観察され、<I>lic1</I>変異による細胞死誘導にPEN2が関わることが明らかとなった。この結果は、PEN2による抗菌物質合成とMACPFタンパクによる細胞死制御のリンクを示唆している。
- リンク情報
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- CiNii Articles
- http://ci.nii.ac.jp/naid/130006991215
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- CiNii Articles ID : 130006991215
- identifiers.cinii_nr_id : 9000391938940