共同研究・競争的資金等の研究課題

2019年4月 - 2022年3月

ヒト死後脳single cell 解析による、精神疾患リスク遺伝子発現様態の解明

日本学術振興会  科学研究費助成事業  基盤研究(C)

課題番号
19K10678
体系的課題番号
JP19K10678
担当区分
研究代表者
配分額
(総額)
4,290,000円
(直接経費)
3,300,000円
(間接経費)
990,000円

1.ヒト死後脳から、単一細胞における統合失調症発症リスク遺伝子の発現を一分子レベルで定量的に解析する手法を完成させた。具体的には、ヒト死後脳に対してsingle molecule fluorescent in situ hybridizationを行い、その蛍光シグナルを新規に開発したコンピュータープログラムを用いて、再現性を持って解析できるようにした。同プログラムの検証と有効性は論文発表されて公開されている他(Nucleic Acids Res. 2020 May 8. pii: gkaa312. doi: 10.1093/nar/gkaa312)、同プログラム自体も一般に公開され使用できるようになっている。またその使用方法についてのセミナーもweb上で公開される予定である。
2.上記の手法を用いて、ヒトの死後脳における統合失調症発症リスク遺伝子の発現を定量的に評価した。10代から20代の若年者10名を対象としており、着目した遺伝子はSNX19遺伝子とAS3MT遺伝子である。また、特に統合失調症のリスクと相関するこれら遺伝子の特定のスプライシングバリアント(SNX19-junc8.10およびAS3MTd2d3)に関しても、single molecule in situ hybridization法を用いて半定量的に評価した。現在これらの結果について内容をまとめており、近く論文発表する予定である。
3.これらの得られたデータを基に、培養細胞を用いた実験により、これらの遺伝子の発現調節機構について解明する必要がある。実験手法や培養細胞について予備的なデータを収集中であり、対象とする細胞が選定されつつある。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-19K10678
ID情報
  • 課題番号 : 19K10678
  • 体系的課題番号 : JP19K10678