2018年4月 - 2021年3月
大腸で産生される活性硫黄分子種・窒素種・酸素種間相互作用への食品成分の影響評価
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
哺乳動物の細胞内では、糖や脂肪から電子が取り出され、電子伝達系を解して適切な場で処理をされている。このような生理的な反応に伴い活性酸素種、活性窒素種が産生される。これらの活性種は酸化ストレスを誘導すると考えられ、これに対する抑制系として様々な細胞内抗酸化機構が提唱されてきたが、近年、その主要機構としての硫化水素を中心とする活性硫黄分子種の役割がクローズアップされている。これまで、硫化水素の生成系は、メチオニン、システインおよびシスチンを基質とする酵素反応と考えられてきた。しかし、哺乳動物組織に多量に存在する活性硫黄分子種の量から、これら含硫アミノ酸からの経路のみでは説明することは難しい。そこで、我々は、生体内で最も硫化水素の産生が盛んな消化管、特に腸での硫化水素の活性硫黄分子種への変換機構および吸収機構、さらには、肝臓による末梢組織への送達機構について検討を試みた。
食品中に含まれる活性硫黄分子種の原料としては、海藻、魚介類、肉類に含まれる硫酸化多糖、およびニンニクやキャベツ、ブロッコリー等に含まれるトリスルフィド化合物が考えられる。前者は、大腸での腸内細菌により硫化水素に変換される。後者は、小腸における消化を受け硫化水素を産生すると考えられる。本研究は、これら、消化管内で産生される硫化水素が、どのような機構により末梢組織にまで送達されるのかを明らかにする。これにより、生体内での酸化ストレスの異常昂進による恒常性破綻を食を介して予防するためのエビデンスを示すことが可能となる。
食品中に含まれる活性硫黄分子種の原料としては、海藻、魚介類、肉類に含まれる硫酸化多糖、およびニンニクやキャベツ、ブロッコリー等に含まれるトリスルフィド化合物が考えられる。前者は、大腸での腸内細菌により硫化水素に変換される。後者は、小腸における消化を受け硫化水素を産生すると考えられる。本研究は、これら、消化管内で産生される硫化水素が、どのような機構により末梢組織にまで送達されるのかを明らかにする。これにより、生体内での酸化ストレスの異常昂進による恒常性破綻を食を介して予防するためのエビデンスを示すことが可能となる。
- ID情報
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- 課題番号 : 18K11015
- 体系的課題番号 : JP18K11015
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論文
1-
Advances in Redox Research 3 100023-100023 2021年12月 査読有り筆頭著者責任著者