共同研究・競争的資金等の研究課題

2011年4月 - 現在

独立財政推計機関の創設に関する研究


資金種別
競争的資金

政策を検討・立案・決定する際、将来予想される経済変化やその政策によって引き起こされる影響を予め定量的に計測するのが「将来推計」の役割である。

社会的要請のもとで立案される政策は、本来、政策の実施自体が目的ではなく、政策がもたらす結果に関心があるから、見積り段階で一定の妥当性を持つことが求められる。また、現下の財政と社会保障の問題の深刻さを踏まえれば、政策の検討・立案・決定それぞれの局面で、将来推計はその土台とならねばならない。

我が国では、多種多様な将来推計が政府内に政策別、組織別に存在する。多種多様とは活発に利用されているとも見えるが、多種多様に示される結果の基礎をなすパラメータ(変数)を始めとするそれぞれの推計の基本前提は、いくつか共通しているだけで、整合性には疑問があり、その前提が他の推計と異なる理由や全体的な関係性は明らかではない。その根本にある問題は、多種多様な推計を、当事者である政策担当省庁自身が担っていることにある。

また、現在世代が果実を得て将来世代に問題を先送りしてしまう現代の民主主義社会の悪弊に私たちは直面している。我が国ばかりでなく、多くの国家が財政問題を抱えている現状からも明らかなことと言える。

こうした中、諸外国では「将来推計」を政策の検討や決定の基盤とし、その方法論や実施、活用体制の改善に愚直に取り組んでおり、世界の趨勢である。これは、財政の規律付けばかりでなく、民主主義に内在する限界を補完する役割を見出している。