論文

査読有り
2024年

親の離婚を経験した子どもの語りの変化—フォーカスグループインタビューにおける相互作用に着目して

質的心理学研究
  • 曽山 いづみ
  • ,
  • 山田 哲子
  • ,
  • 本田 麻希子

23
Special
開始ページ
S53
終了ページ
S61
記述言語
日本語
掲載種別
DOI
10.24525/jaqp.23.special_s53
出版者・発行元
日本質的心理学会

本研究では,未成年期に親の離婚を経験した20 代後半以上の子ども4 名を対象として個別インタビューとフォーカスグループインタビューを実施した。フォーカスグループインタビューの相互作用と語りの変化に焦点を当ててナラティヴの観点から分析を行った。相互作用場面において,協力者たちの語りは【問いかけ】【体験談の共有】【共感】【異なる体験談の提示】【仮定】【自分の考えの提示】【新たな気づき】という機能を持っていた。それぞれの【体験談を共有】し【共感】することによってグループで安心できるあたたかい雰囲気が醸成されていた。また,【異なる体験談の提示】や【仮定】を通して【新たな気づき】が得られ,語りが変化していく様子が見られた。さらに,【自分の考えの提示】が他協力者にとって「新しい視点」として受け止められることで,今までの自分の経験を新たに意味づけていく様子も見られた。協力者間でこれらの相互作用が起こることで,自分の人生において親の離婚をどのように位置づけていくか,考えていく様子が示された。

リンク情報
DOI
https://doi.org/10.24525/jaqp.23.special_s53
CiNii Research
https://cir.nii.ac.jp/crid/1390298820574446848?lang=ja
ID情報
  • DOI : 10.24525/jaqp.23.special_s53
  • eISSN : 2435-7065
  • CiNii Research ID : 1390298820574446848

エクスポート
BibTeX RIS