共同研究・競争的資金等の研究課題

2019年4月 - 2022年3月

高潮モデル高度化と多数アンサンブル実験による確率的な巨大高潮リスクの将来変化予測

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(B)  基盤研究(B)

課題番号
19H02253
体系的課題番号
JP19H02253
配分額
(総額)
17,550,000円
(直接経費)
13,500,000円
(間接経費)
4,050,000円

アンサンブル気候変動予測実験データベースd4PDFを用いた高潮シミュレーションを,高潮・波浪・潮汐結合モデルSuWATを用いて行った.2018年台風21号を対象に,台風半径が高潮偏差と波高に及ぼす影響を調べ,大阪湾における高潮・波高は台風半径に敏感であることが示された.
台風パラメータ(発生数・位置,中心気圧,移動方向・速度)の確率的変化についてマッピングし,モンテカルロシミュレーションで台風を人工的に発生,移動させる確率台風モデルをバイアス修正したd4PDFデータに基づいて改良した.また,同様のバイアス補正を将来予測データに対しても行うことで,海面水温条件の変化した場合の台風の将来予測を行うことができた.
将来気候変動条件下における日本沿岸の高解像度波候予測を実施した.将来気候における有義波高と平均周期の気候値は,現在気候と比較してそれぞれ10%および3%程度の減少を示した.
深層学習 (CNN: Convolutional Neural Network) を用いて空間的に気象情報を入力し,風速や波高といった海象の時系列を予測した.説明変数の組み合わせや気象場の入力範囲等の物理的要因と,ハイパーパラメータのようなCNNの計算条件を変化させ,これらが結果に及ぼす影響についても比較した.伊勢湾と太平洋上の点を対象に行った風速の予測では,瞬時値の気圧場を入力することで精度よく予測できた.伊勢湾と鳥取を対象に行った波高の予測では,うねりを伴うため風速の時刻歴を入力することで精度良く予測できた.
確率台風モデルで作成された1000年分の人工台風データを用いて,我が国の主要湾を対象に高潮災害の年集積リスクの評価を行った.高潮浸水解析を行い,年間被害額を算定した.年間被害額と年超過確率の関係を表すリスクカーブを作成し,年期待被害額を算定した.

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-19H02253
ID情報
  • 課題番号 : 19H02253
  • 体系的課題番号 : JP19H02253