MISC

2014年6月

胆道原発横紋筋肉腫の1例

日本小児血液・がん学会雑誌
  • 前田 紗耶架
  • ,
  • 渡邉 健一郎
  • ,
  • 甲原 貴子
  • ,
  • 才田 聡
  • ,
  • 藤野 寿典
  • ,
  • 岡本 晋弥
  • ,
  • 山内 智香子
  • ,
  • 秋山 祐一
  • ,
  • 足立 壯一
  • ,
  • 平家 俊男

51
2
開始ページ
153
終了ページ
157
記述言語
日本語
掲載種別
出版者・発行元
(NPO)日本小児血液・がん学会

胆道原発横紋筋肉腫は、主に胎児型を示し予後良好とされているが、本邦での報告は稀である。我々は術前に先天性胆道拡張症が疑われ、手術により横紋筋肉腫と判明した症例を経験した。Stage I、Group IIIb、低リスク群として、vincristine(VCR)、actinomycin-D、cyclophosphamideによる化学療法を行ったが、類洞閉塞症候群、カンジダ血症、grade 3の末梢神経障害を併発し、VCRの中止を含む治療変更を要した。放射線療法では、正常肝温存と腸管保護のため術後残存腫瘍部をgross target volumeとし、照射線量を45Gy/25回とした。48週間の治療終了後、画像上は腫瘍残存が否定できなかったが、追加切除は行わずに約3年間寛解を維持している。遠隔転移のない胆道原発横紋筋肉腫は集学的治療への反応性良好と考えられるが、合併症に留意して治療する必要があると示唆された。(著者抄録)

ID情報
  • ISSN : 2187-011X
  • 医中誌Web ID : 2014337793

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