共同研究・競争的資金等の研究課題

2000年 - 2004年

ヒトT細胞が認識する腫瘍特異抗原の同定

日本学術振興会  科学研究費助成事業 特定領域研究  特定領域研究

課題番号
12213111
体系的課題番号
JP12213111
配分額
(総額)
52,200,000円
(直接経費)
52,200,000円

本研究は、腫瘍免疫において最も有効な標的と考えられる癌特異的に高発現している抗原を選血出し、これらに熊いて癌の診断検の応用を検討するとともに、ヒト細胞傷害性T細胞(CTL)およ血ヘルけ-T(Th)細胞に、腫瘍拒絶を誘導するペプチドを同定して、癌の免疫療法に応用することを目的とする。
5年間の研究期間に、SEREX法あるいはcDNAマイクロアレイ解析により、下記の理想的な腫瘍特異抗原を同定し、以下のような研究成果を得た。1)Glypican-3(GPC3)が肝細胞癌(HCC)なら血に悪性黒色腫(メラノーマ)の腫瘍マーカーとして特に早期癌の検出に有用であることを示した。さらにマウスにおいてGPC3ペプチド療法により、GPC3陽性癌細胞を拒絶できた。2)食道癌に高発現する癌・精巣様抗原Proliferation Potential Related Protein(PP-RP)を同定し、これが細胞増殖を促進して癌化に関与すること、なら血にヒトPP-RP特異的CTLが癌細胞を傷害することを示した。3)SEREX法により多様な癌に発現するKM-HN-1、HSP-105、CLPおよ血KM-PA-2を同定した。これらの抗原ペプチドを用いて、当該抗原を発現する癌細胞を傷害するCTLの誘導が、ヒトあるいはマウスにおいて確認された。また多様な癌患者の血清中に、抗KM-HN-1 IgG抗体を検出し、その癌における診断的価値を発見した。4)抗原あるいはケモカイン遺伝子を発現させたマウスES細胞から分化誘導した樹状細胞、あるいは、これにさらにα-Galactosylceramideを負荷することにより、強い抗腫瘍免疫効果を誘導できることを明らかにした。
以上の研究により、当初の目標を上回る成果が得られ、今後さらに臨床応用に向けて研究を発展させる予定である。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-12213111
ID情報
  • 課題番号 : 12213111
  • 体系的課題番号 : JP12213111