共同研究・競争的資金等の研究課題

2020年4月 - 2023年3月

膠芽腫幹細胞を標的としたtRNAメチル化酵素阻害剤による制がん戦略の構築

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
20K07618
体系的課題番号
JP20K07618
配分額
(総額)
4,290,000円
(直接経費)
3,300,000円
(間接経費)
990,000円

膠芽腫幹細胞において、特定の核酸修飾酵素が幹細胞性の維持に必須であることを細胞レベル・動物レベルで実証した。具体的には、当該酵素をコードする遺伝子に対するLoss-of-functionを行うことで、膠芽腫幹細胞株の未分化マーカーが脱落し、自己複製能が著しく減弱し、さらに造腫瘍能が低下することを確認した。当該酵素に対する阻害剤を用いることで、細胞レベルで膠芽腫幹細胞の幹細胞性が減弱することが実証できたが、担がんモデルマウスにおいては、その抗がん作用は必ずしも強力なものではなかった。このことは、当初の阻害剤の脳組織移行性が十分ではなかった点と、モデルマウスの血液中の代謝安定性が十分に高いものでなかったことに起因すると予測された。次年度以降の課題としては、上記の課題を克服できるような類縁体をデザインすることであり、同様のモデルマウスで検証を継続する。上記の課題と並行して、当初の化合物が奏功しうる膠芽腫患者と奏功が期待しがたい患者の層別化をはかる遺伝子群の解析を進めたところ、具体的に機能が未知の遺伝子を2つ同定することに成功した。それぞれの機能解析を進めたところ、一方では転写制御に関連する因子群のひとつであると推測され、もう一方では細胞内アミノ酸代謝に強く関連する因子群のひとつであることが予測された。次年度以降、これらの機能未知の遺伝子の解析を進めるとともに、特定の核酸修飾酵素とのクロストーク等を探っていくことを目指す。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-20K07618
ID情報
  • 課題番号 : 20K07618
  • 体系的課題番号 : JP20K07618