2016年9月7日
質量ゼロ電子の速度測定「低温ほど加速」
- 種別
- 新聞・雑誌
- 発行元・放送局
- 日経産業新聞
- 番組・新聞雑誌名
- 掲載箇所
「物質中で見かけ上の質量がゼロになる電子は、冷却するほど加速することを明らかにした。コンピューターの高速・低消費電力化につながる成果という。詳しい内容は英科学誌ネイチャー・コミュニケーションズ(電子版)に掲載された。
電子の質量には周囲から何の力も受けない時の静止質量と、物質中で原子の骨組みの隙間にひろがった時に示す有効質量がある。有効質量が小さいほど電子は動きやすい。有効質量ゼロの電子はグラフェン(シート状の炭素分子)、トポロジカル絶縁体、有機電荷移動錯体といった物質で現れ「ディラック電子」と呼ぶ。
研究チームは有機電荷移動錯体の中にある電子のスピンが動く速度を核磁気共鳴(NMR)で測定。絶対零度の条件え理論計算した値と比較した。
実験の結果、室温ではディラック電子がないため、速度は理論値の3分の1と遅かった。冷却するとディラック電子が現れ、セ氏零下243度で理論値の10倍、同272度で同20倍に高
電子の質量には周囲から何の力も受けない時の静止質量と、物質中で原子の骨組みの隙間にひろがった時に示す有効質量がある。有効質量が小さいほど電子は動きやすい。有効質量ゼロの電子はグラフェン(シート状の炭素分子)、トポロジカル絶縁体、有機電荷移動錯体といった物質で現れ「ディラック電子」と呼ぶ。
研究チームは有機電荷移動錯体の中にある電子のスピンが動く速度を核磁気共鳴(NMR)で測定。絶対零度の条件え理論計算した値と比較した。
実験の結果、室温ではディラック電子がないため、速度は理論値の3分の1と遅かった。冷却するとディラック電子が現れ、セ氏零下243度で理論値の10倍、同272度で同20倍に高