2019年4月 - 2022年3月
放射性抗がん剤ドラッグデリバリーシステムを用いた低侵襲化学粒子線治療技術の研究
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
本研究では、抗がん剤を内包するドラックデリバリーシステム(DDS)において、粒子線照射でDDSの素材が壊変して内包薬剤を放出する、放射線感受性を持つDDSの開発を目指している。さらに、腫瘍へ線量集中が可能な陽子線治療とこのDDSを併用することで、腫瘍内のDDSから薬剤が放出され、陽子線治療の効果の増強を目指している。また、治療効果をさらに高めるため、従来の抗がん剤の構成元素を放射性元素に置き換えた放射性抗がん剤を内包したDDS開発する。その結果、 上記の3つの効果を誘発させ、陽子線をベースにして炭素線に匹敵する治療効果をもたらす治療技術の開発を目指す。
今年度は、生体に投与可能で放射性感受性を持つDDSを作成するためにDDS材料の検討および照射実験を実施した。本研究では、DDS 材質としてポリマーゲルの組成に着目した。ポリマーゲルに放射線を照射するとラジカル重合反応が起こり,凝縮などの変形により薬剤放出を誘発する。ラジカル重合反応は酸素阻害を受けるため,脱酸素剤は必要不可欠であるが一般に毒性がある.したがって、体内投与可能な脱酸素剤としてアスコルビン酸を用いたゲルを作成し、溶存酸素濃度測定とともに、放射線感受性の評価を行った。ゲル内の溶存酸素濃度はアスコルビン酸の濃度依存的に減少した。さらに、ゲルへのX線照射実験を実施し、放射線重合反応によるゲルの線量依存的な白濁が誘発され、作成したゲルの放射線感受性が確認された。
今年度は、生体に投与可能で放射性感受性を持つDDSを作成するためにDDS材料の検討および照射実験を実施した。本研究では、DDS 材質としてポリマーゲルの組成に着目した。ポリマーゲルに放射線を照射するとラジカル重合反応が起こり,凝縮などの変形により薬剤放出を誘発する。ラジカル重合反応は酸素阻害を受けるため,脱酸素剤は必要不可欠であるが一般に毒性がある.したがって、体内投与可能な脱酸素剤としてアスコルビン酸を用いたゲルを作成し、溶存酸素濃度測定とともに、放射線感受性の評価を行った。ゲル内の溶存酸素濃度はアスコルビン酸の濃度依存的に減少した。さらに、ゲルへのX線照射実験を実施し、放射線重合反応によるゲルの線量依存的な白濁が誘発され、作成したゲルの放射線感受性が確認された。
- ID情報
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- 課題番号 : 19H04480
- 体系的課題番号 : JP19H04480