共同研究・競争的資金等の研究課題

2007年4月 - 現在

彫刻技法「星取り法」と彫刻の造形性に関する基礎的研究


資金種別
競争的資金

星取り法(pointing technique)とは、幾何の原理を機械的に応用した形態転写の彫刻技法である。立体モデルの任意の点を大理石などの材料中に定位することで形状再現を行うこの方法は、二十世紀に入り、作品のオリジナリティが重視されるに従って衰退していく。星取り法の技術的な仕組みを考究することは、近代芸術の革新性の本質を逆照射することになり、本研究は「星取り法」の技術特性を論理的に明らかにしつつ、それが美術史の中で果してきた功罪を問う。本研究の特質は、星取り法の研究を、近代彫刻の論議の下地として位置づけ、星取り法からの転回として現れた「直彫り法」と近代芸術観の考究へと発展させる目的を持つところにある。