2015年8月
タンパク質の水和と機能発現
冷凍
- ,
- 巻
- 90
- 号
- 1054
- 開始ページ
- 569
- 終了ページ
- 573
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 出版者・発行元
- 日本冷凍空調学会
中性子非干渉性散乱は、生理的な溶液環境での蛋白質の熱揺らぎを計測できる。蛋白質ダイナミクスは広い時空間で特徴付ける必要がある。中性子非干渉性散乱は、水の運動性や蛋白質の動力学転移を解析する、有効な実験手法である。中性子は物質の透過性に優れ、かつ分子ダイナミクスを非破壊的に観測できる。中性子では、振動状態密度,緩和,拡散過程,平均自乗変位の情報が得られる。分子シミュレーションでは、原子スケールで分子構造やダイナミクスの情報が得られ、中性子非干渉性散乱と相補的である。我々は、蛋白質の動力学転移の水和量依存性が、水和水のパーコレーション転移と相関があることを見出した。パーコレーション転移以上の水分量では、水和水ダイナミクスは蛋白質の動力学転移温度以上で運動性が劇的に変化する。蛋白質の動力学転移は、蛋白質表面に広がった水和水ネットワークの揺らぎとカップルしている。
- リンク情報
- ID情報
-
- ISSN : 0034-3714
- CiNii Articles ID : 40020567871
- CiNii Books ID : AN00211229