論文

査読有り
2021年3月

凍結する水和水と凍結しない水和水; 中性子散乱で明らかにした蛋白質ダイナミクスへの異なる寄与

Journal of Physical Chemistry Letters (Internet)
  • 山本 直樹*
  • ,
  • 古府 麻衣子
  • ,
  • 中島 健次
  • ,
  • 中川 洋
  • ,
  • 柴山 修哉*

12
8
開始ページ
2172
終了ページ
2176
記述言語
英語
掲載種別
DOI
10.1021/acs.jpclett.0c03786

水和水は、機能発現に必要な蛋白質のダイナミクスを活性化するために重要な役割を果たしている。しかし、水和水がどのようにして蛋白質のダイナミクスと結びついているのか、その詳細は不明である。水和水の氷形成の温度ヒステリシスは、凍結不可能な水和水と凍結可能な水和水のどちらのタイプの水和水が蛋白質ダイナミクスの活性化に重要な役割を果たしているのかを理解するための鍵となる現象である。中性子散乱を用いて、凍結可能な水和水の氷の回折ピークに温度ヒステリシス現象が観測されたのに対し、蛋白質ダイナミクスでは温度ヒステリシスは観測されなかった。これらの結果から、蛋白質のダイナミクスは凍結可能な水和水のダイナミクスとは連動しておらず、蛋白質のダイナミクスの活性化には凍結不可能な水和水が不可欠であることが明らかになった。

リンク情報
DOI
https://doi.org/10.1021/acs.jpclett.0c03786
URL
https://jopss.jaea.go.jp/search/servlet/search?5071061
ID情報
  • DOI : 10.1021/acs.jpclett.0c03786
  • ISSN : 1948-7185

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