共同研究・競争的資金等の研究課題

2014年4月 - 2016年3月

単球に発現する形態形成制御分子EphA2/ephrin-A1と血管外遊走制御機構

日本学術振興会  科学研究費助成事業 特別研究員奨励費  特別研究員奨励費

課題番号
14J12377
体系的課題番号
JP14J12377
担当区分
研究代表者
配分額
(総額)
2,100,000円
(直接経費)
2,100,000円

本研究の目的は仮説「EphA2とephrin-A1を発現する単球/マクロファージは,炎症部位で発現が上昇する血管内皮細胞のephrin-A1とEphA2を標的に結合・接着し,発生するEphA2/ephrin-A1シグナルは血管内皮細胞層の通過を制御する」の検証実験である。本年度は以下の3項目の実験計画を立てた。(1)単球/マクロファージのEphA2とインテグリンは相互作用するか。(2)EphA2/ephrin-A1シグナルの下流でアクチン制御分子RhoファミリーGTPaseが働くか。(3)in vivoにおいてEphA2/ephrin-A1シグナルは単球/マクロファージの血管内皮細胞層通過を制御するか。
項目(1)は当初の計画以上の研究成果を得ることができ,ephrin-A1と結合した単球/マクロファージはEphA2の細胞外ドメインを介するシグナルによりインテグリンと複合体を形成して細胞接着を増強することが判明した。また,当初の研究計画にはない単球/マクロファージのEphA2が血管内皮細胞層の通過に及ぼす影響を血管内皮細胞との共培養系で検討し,EphA2の細胞外ドメインを介するシグナルは血管内皮細胞層通過を制御することが判明した。これまで白血球の血管内皮細胞層通過機構は白血球のインテグリンと血管内皮細胞のインテグリンリガンドの結合によって説明されてきたが,これらの研究成果により,EphA2は単球のインテグリンを制御する新規分子として同定することができた。項目(2)は研究を実行できなかった。項目(3)は,マウスの炎症組織モデルを作製して単球/マクロファージを静脈内投与しEphA2/ephrin-A1が炎症組織への浸潤に影響するか検討したが,静脈内投与では効率的に炎症組織の血管まで細胞が循環しないことが判明し,投与方法あるいは炎症組織部位を再考する必要があると考えられた。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-14J12377
ID情報
  • 課題番号 : 14J12377
  • 体系的課題番号 : JP14J12377

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