2013年5月
タクロリムス徐放製剤によるtherapeutic drug monitoringを用いた生体腎移植
今日の移植
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- 巻
- 26
- 号
- 3
- 開始ページ
- 267
- 終了ページ
- 269
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 出版者・発行元
- (株)日本医学館
2010年7月〜2012年4月に行った生体腎移植10例を対象に、タクロリムス徐放製剤の薬物動態、拒絶反応頻度、腎毒性について検討した。免疫抑制剤はグラセプター、ミコフェノール酸モフェチル(MMF)、ステロイド、バシリキシマブ(BXM)の4剤を使いABO血液型不適合症例には抗CD20モノクローナル抗体のリツキシマブを投与、移植前血漿交換とし二重濾過血漿交換療法(DFPP)と全血漿交換を併用し、脾摘を回避した。レシピエントの平均年齢は51.6歳、原疾患は慢性糸球体腎炎4例、多発性嚢胞腎・糖尿病性腎症各2例、アルポート症候群・IgA腎症各1例であった。2例は先行的腎移植であった。グラセプターの平均トラフ値(ng/mL)と平均血清クレアチニン値(mg/dL)は各1週後、8.22、1.80、2週後、6.84、1.67、4週後、4.55、1.48、8週後、3.53、1.37、12週後、3.73、1.39、24週後、3.99、1.46であった。AUCと各測定時間での血中濃度の相関はC24での相関が最も強く、次にC2であった。移植後1ヵ月、1年後の移植腎生検で拒絶反応はなくCNI毒性が2例にみられた。低用量のタクロリムス徐放製剤でも生体腎移植の拒絶反応は少なく安全なことが示唆された。
- ID情報
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- ISSN : 0916-0094
- 医中誌Web ID : 2013301195