共同研究・競争的資金等の研究課題

2017年4月 - 2021年3月

LMSを活用した「音符の言語化」による「ピアノを用いない」ピアノ教授法構築の研究

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
17K04825
体系的課題番号
JP17K04825
配分額
(総額)
2,730,000円
(直接経費)
2,100,000円
(間接経費)
630,000円

本研究では、保育士、教員養成校におけるピアノ学習者を対象に、ピアノを用いない練習方法の効果を高めるために、LMS(学習支援システムLearning
Management System)を活用した「音符の言語化」によるピアノ教授法構築を目指している。本研究における「音符の言語化」とは、1つの音符に1文字をつけ音型を言葉で表すことである。
今年度は、4月から9月までのみ研究に取り組むことができた。昨年度に引き続き対象者に課題曲を提示し、楽曲中のリズムの「音符の言語化」を試みた。学生は、発声しながら弾き、正しいリズムを習得することができた。これらの研究成果については、これまでの研究成果とあわせてまとめた。しかし、授業内の限られた時間での実践のため、LMS上で共有し、活用するには至らなかった。
また、ピアノ学習者の演奏評価に影響を与える要素の定量的解析を行った。保育士・教員養成校のピアノ学習者を対象にした初見演奏を3 名の審査員で評価した。評価は4つの要素(音の正しさ、リズム、テンポの一定さ、曲の流れ)の評価と演奏評価(印象点)とで行った。重回帰分析の結果、曲の流れとリズムが演奏評価に強く影響を及ぼしていることが示された。さらに、演奏評価が低いグループは、リズムの評価が演奏評価に強い影響を与え、演奏評価が高いグループは曲の流れが演奏評価に強い影響を及ぼしていることが明らかになった。つまり、ピアノ初学者を対象に、リズムに着目し、その要素を高める教授法は、ピアノ演奏評価向上につながると言える。この解析により、本研究の意義が定量的に明らかになった。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-17K04825
ID情報
  • 課題番号 : 17K04825
  • 体系的課題番号 : JP17K04825