共同研究・競争的資金等の研究課題

2021年7月 - 2024年3月

ポスト・コロナ期の持続可能な産学官連携外国人定着支援システム

日本学術振興会  科学研究費助成事業 挑戦的研究(萌芽)  挑戦的研究(萌芽)

課題番号
21K18474
体系的課題番号
JP21K18474
配分額
(総額)
6,240,000円
(直接経費)
4,800,000円
(間接経費)
1,440,000円

東日本大震災以降、少子高齢化が加速する宮城県在住の外国人労働者、受入事業者、支援者・地域住民を対象とした調査と当事者・支援者による協働・共修プログラムの開発と効果検証を通して定着支援モデルの構築と政策提言を一体的に行い、外国人の定着支援に迫ることが本研究の目的である。初年度は東北地方における外国人労働者の受け入れ最大県であり生活水準を表す生活指標や自己・他者を労わる尊厳指数を含む人間の安全保障指数が全国で45位の宮城県の漁業・水産加工を生業とする石巻市牡鹿半島居の事業者および技能実習生・特定技能外国人に対する聞き取り調査と、それらをもととした外国人労働者対象のアンケート調査の設計を行った。
事業所内で実施した聞き取り調査では、本研究におけるいくつかの課題が確認された。まず、外国人労働者が受け入れ事業者の待遇の変化を恐れて真実を述べようとしない可能性が浮上した。現在の技能実習生制度では、事業主から解雇されると強制送還となるため、事前に守秘の徹底を伝えているにもかかわらず、調査で答えた内容の漏洩を気にして事業者や就労環境・待遇に対する批判的な口述データが引き出せない可能性が示唆された。また、予定していたアンケート調査についても、事業者を介せず実施することが難しく対象者の安全を守り正確なデータ収集が困難となる可能性も確認された。そこで、紙のアンケートの代わりに外国人労働者が活用するSNSを通じたWEB調査を採用することにした。調査の実施に必要な、所属大学における倫理委員会審査への申請にも既に着手している。
今年度の調査の進捗・成果確認を目的とした研究会を複数回開催し、成果を論文や学会でも報告した。また、技能実習生を支援する宮城国際化協会へのインタビューや、宮城県気仙沼市の技能実習生受け入れ事業所の管理団体とネットワークの構築も図り、来年度の研究計画の実行に向けた準備も開始した。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-21K18474
ID情報
  • 課題番号 : 21K18474
  • 体系的課題番号 : JP21K18474