2020年4月 - 2024年3月
海洋微生物多様性の盲点―真核微生物に潜在する原核微生物叢の実態を探る
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
感染症拡大防止のため本研究計画の起点となる野外採集が行えずにいたが、2021年度7月には野外採集の予備実験を行い、11月に筑波大学下田臨海実験センターにおける海洋微生物サンプリングを実施することができた。
得られた海水サンプル中から原核生物を共生させる真核微生物合計11種類を発見し、マイクロキャピラリーを用いてそれぞれ1細胞づつ単離を行った。そのうち9サンプルについて共生原核生物のゲノムを増幅し、Illumina社シーケンサーによる解析を行った。その結果、Ornithocercus属渦鞭毛藻3種、Histioneis属渦鞭毛藻2種、Citharistes属渦鞭毛藻1種の共生原生生物についてゲノム情報を取得することに成功した。
予備的なゲノムアセンブリングおよび解析を行った所、上記の渦鞭毛藻に共生する原生生物のうち、シアノバクテリア共生体についてはほぼ全てにおいて十分なシーケンスリード量が得られており、これらについては全ゲノムもしくはそれに近い品質のゲノムが再構築可能であると予想される。現在、ゲノムアセンブリング・コンタミネーション除去および遺伝子アノテーション作業の検討を行いつつ、ゲノム情報の取得を進めている。
下田臨海実験センターにおける採集においては、海水サンプルからのメタゲノムDNAの抽出も行った。下田近海の各地点で得られた海水サンプル10Lを0.45μm, 5μm, 20μm, 120μmの網目のナイロンメッシュフィルターで濾過し、濾過後のフィルターからそれぞれDNA抽出を行った。今後このDNAを用いて16S rDNA遺伝子をマーカーとしたメタバーコーディング解析を実施する予定である。
得られた海水サンプル中から原核生物を共生させる真核微生物合計11種類を発見し、マイクロキャピラリーを用いてそれぞれ1細胞づつ単離を行った。そのうち9サンプルについて共生原核生物のゲノムを増幅し、Illumina社シーケンサーによる解析を行った。その結果、Ornithocercus属渦鞭毛藻3種、Histioneis属渦鞭毛藻2種、Citharistes属渦鞭毛藻1種の共生原生生物についてゲノム情報を取得することに成功した。
予備的なゲノムアセンブリングおよび解析を行った所、上記の渦鞭毛藻に共生する原生生物のうち、シアノバクテリア共生体についてはほぼ全てにおいて十分なシーケンスリード量が得られており、これらについては全ゲノムもしくはそれに近い品質のゲノムが再構築可能であると予想される。現在、ゲノムアセンブリング・コンタミネーション除去および遺伝子アノテーション作業の検討を行いつつ、ゲノム情報の取得を進めている。
下田臨海実験センターにおける採集においては、海水サンプルからのメタゲノムDNAの抽出も行った。下田近海の各地点で得られた海水サンプル10Lを0.45μm, 5μm, 20μm, 120μmの網目のナイロンメッシュフィルターで濾過し、濾過後のフィルターからそれぞれDNA抽出を行った。今後このDNAを用いて16S rDNA遺伝子をマーカーとしたメタバーコーディング解析を実施する予定である。
- ID情報
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- 課題番号 : 20H03305
- 体系的課題番号 : JP20H03305