2013年3月
デカルトをめぐる論戦
- 担当区分
- 共著
- 担当範囲
- 第2章「スピノザによる〈経験的〉なデカルト批判」
- 出版者・発行元
- 京都大学学術出版会
- 総ページ数
- 担当ページ
- 33-53
デカルトが主張する〈心的因果〉と〈自由意志〉に対してスピノザが展開した、ある種の経験分析に基づく批判が考察されている。デカルトは、意識上の〈直接性〉を〈心的因果〉の最終的論拠としたが、スピノザによれば、夢の事例を考慮すればデカルトの議論は説得的ではない。また、デカルトは〈誇張的懐疑〉から〈自由意志〉を帰結するが、スピノザは、〈誇張的懐疑〉は必然的な心理的事象と見なされ得るとしてデカルトを批判する。