基本情報

所属
関西学院大学 文学部 文学言語学科 准教授

J-GLOBAL ID
201701000212546217

 日本近代文学におけるデカダンスという概念について考察しています。「頽廃」「堕落」などと翻訳されるこの概念は、道徳的には退けられることが多いのですが、文学において、しばしば理念化されています。現在まで、岩野泡鳴・平林初之輔・保田與重郎・坂口安吾ら、デカダンスを唱えた文学者たちを中心に、この概念の文学史を編み上げようとしてきました。  デカダンスとは、壊滅的状況を眼前にしたときの身構えであり、廃墟の中で新たな何ものかが動き出すことを凝視しようとする、その態度のことでもあるようです。デカダンス文学者たちの言葉からこのことを知った私は、今、戦後文学をもう一度読み直そうとしています。「戦後」という時間の中で前提となった諸規範を否認し、「現実」を構成する言葉を問い直す、そのような契機が、文学の中にあります。今、言葉が言葉でなくなっていくような壊滅的状況の中で、文学に埋め込まれた様々な可能性を、改めて掘り起こしたいと考えています。

研究キーワード

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論文

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