2010年
von Hippel-Lindau(VHL)遺伝子の生殖細胞変異を伴った傍神経節腫の1例
日本小児外科学会雑誌
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- 巻
- 46
- 号
- 4
- 開始ページ
- 777
- 終了ページ
- 782
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 研究論文(学術雑誌)
- DOI
- 10.11164/jjsps.46.4_777
- 出版者・発行元
- 特定非営利活動法人 日本小児外科学会
症例は15歳,女児.褐色細胞腫または傍神経節腫の疑いで当院を紹介受診した.腹部CT検査で左後腹膜腫瘤と多発性膵嚢胞,^<123>I-metaiodobenzylguanidineシンチグラフィで左後腹膜腫瘤に一致して集積像を認めた.開腹腫瘍生検術で,傍神経節腫と診断した.左腎静脈は腫瘍に巻き込まれており,左腎合併切除を伴う腫瘍完全切除を施行した.本症例はvon Hippel-Lindau(VHL)病の関与が考えられ,VHL遺伝子の変異とその発現を検討した.本症例では非腫瘍部腎臓組織でVHL遺伝子の生殖細胞変異を認め,さらに腫瘍組織で体細胞変異を2か所に認めた.また同遺伝子の発現は,腫瘍組織で消失していた.以上より本症例は,VHL病と考えられた.傍神経節腫において,VHL病の診断基準を満たさなくとも,VHL病の関与する症例が存在し,慎重な全身検索と経過観察が重要と考えられた.
- リンク情報
- ID情報
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- DOI : 10.11164/jjsps.46.4_777
- ISSN : 0288-609X
- CiNii Articles ID : 110007657530
- CiNii Books ID : AN00192281