MISC

2011年6月

CT colonographyが診断に有用であったCrohn病の1例

香川県内科医会誌
  • 杵川 文彦
  • 藤田 由美子
  • 木田 裕子
  • 中尾 克之
  • 井上 利彦
  • 長谷川 清
  • 高畠 理恵
  • 大山 知代
  • 岡内 泰弘
  • 徳田 道昭
  • 香川 礼香
  • 野村 貴子
  • 村松 明美
  • 森 宏仁
  • 小林 三善
  • 井上 秀幸
  • 正木 勉
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47
開始ページ
60
終了ページ
65
記述言語
日本語
掲載種別
出版者・発行元
香川県内科医会

症例は30歳代、女性。主訴は腹痛、嘔吐、腹部膨満感である。Crohn病のため治療を続けていた。上記の症状が持続するため、当院救急外来を受診し、腹部単純X線検査でイレウスと診断され、緊急入院となった。来院時、腹部の膨満と圧痛があり、腸管蠕動不穏を認めた。注腸X線検査および下部消化管内視鏡検査では腸管の変形と狭窄が著明で詳細な評価は困難であった。CT colonoscopyにおいて、S状結腸の狭窄部は内視鏡所見類似の像として描出された。CT enemaにおいてはS状結腸の著明な変形が認められ、S状結腸と回腸の瘻孔が疑われる所見を認めた。CT colonographyはCrohn病の活動性を増悪させることなく、偶発症も認められなかった。CT colonographyは偶発症の頻度や被験者に与える苦痛が少なく、有用性の高い検査法と考えられる。撮像技術の改良と診断学の確立が期待される。(著者抄録)

ID情報
  • ISSN : 0917-4095
  • 医中誌Web ID : 2011327626

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