2018年4月 - 2021年3月
九州北部豪雨・東峰村での避難行動分析にもとづく豪雨時避難計画策定指針の構築
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
本研究では,2017年九州北部豪雨において土石流および河川の氾濫の被害があった東峰村において,東峰村役場との合同で調査した被害および避難行動調査の結果を取りまとめた。まず,土石流の被災範囲と地形との関係を分析し,曲率から地形により簡易的に土砂災害の危険箇所を推定する手法を提案した。また,東峰村で得られた知見を他地域に水平展開するとして,対象地域を香川にすることで計画を進めていたところ,平成30年7月豪雨が発生した。7月豪雨では,香川県でも避難指示が発令されるなど,影響を受けた。そのことから,避難指示が発令された4市5町の発令地域内に居住する1873人に対して9月中旬から12月末にかけてヒアリングもしくは紙面でのアンケート調査を実施し,735人(回収率39.2%)の回答が得られた。アンケートでは,避難指示の発令およびその理由の理解を尋ねるとともに,避難行動の有無とその行動に至った動機についても調査した。避難行動については,土砂災害の危険性やため池の決壊の危険性など,影響が及ぶ範囲が限定的な場合は,回答者の居住場所についても考慮して分析を進めた。また,地域の災害の危険性に対する理解,土地の成り立ちに対する理解,避難訓練の参加や自治会へ加入など,地域での活動の現状についても尋ねた。成果としては,調査データを収集し,単純集計結果により傾向を把握したことである。この結果をもとに,今年度は,東峰村の事例,香川の事例を比較し,住民に対する効果的な啓発は何かについて考え,実践に向けて検討する。
- ID情報
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- 課題番号 : 18K04660
- 体系的課題番号 : JP18K04660
この研究課題の成果一覧
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論文
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International Journal of Environmental Research and Public Health 17(7) 2424 2020年4月2日 査読有り筆頭著者
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自然災害科学 37(4) 407-418 2019年 査読有り筆頭著者
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Journal of Mountain Science 16(1) 95-107 2018年7月21日 査読有り筆頭著者