2016年4月
抑うつ状態に対する理学療法効果の検証ならびに病態生理学に基づいた作用機序の基礎的検討
理学療法学
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- 巻
- 43
- 号
- 2
- 開始ページ
- 154
- 終了ページ
- 155
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- DOI
- 10.15063/rigaku.43_154
- 出版者・発行元
- (公社)日本理学療法士協会
慢性拘束ストレス(以下、CRS)負荷による抑うつモデルラットを作成し、トレッドミル運動が抑うつ発症に及ぼす効果と樹状突起の形態変化に着目して検討した。ラットをCRS群、CRS負荷後にトレッドミル運動を加える運動群、通常飼育群に分けた。ストレス負荷には1日3時間、21日間連続で円筒(内径5cm、長さ20cm)内に閉じこめる拘束ストレスを用いた。運動群はCRS負荷直後に30分間のトレッドミル運動を行った。スクロース消費テストおよび強制水泳テストで抑うつ行動を評価した。最後に脳組織を取りだしGolgi-Cox染色法に供して樹状突起の解析を行い、副腎を採取しその重量を算出した。21日間のCRSにより、抑うつ行動を示し、海馬歯状回顆粒細胞層の樹状突起退縮を認めた。また、副腎重量の増加も認められた。これに対しトレッドミル運動を実施すると、抑うつ行動がみられず、樹状突起の退縮が抑制されることが示された。以上より、運動が抑うつの予防に寄与する効果を有することが示された。(著者抄録)
- リンク情報
- ID情報
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- DOI : 10.15063/rigaku.43_154
- ISSN : 0289-3770
- 医中誌Web ID : 2016251928
- CiNii Articles ID : 130005147345