2018年4月 - 2021年3月
ハイブリッドドーピングによる量子ドットベース機能性ナノ材料の開発
日本学術振興会 科学研究費助成事業 若手研究 若手研究
半導体量子ドットへの不純物ドーピング技術は、量子効果に起因する特性をさらに高度化するための有望な手段である。本研究では、不純物ドーピングに加えて化学ドーピングを量子ドットに適用した技術により、シリコン量子ドットの高機能化と新機能創出を実現することを目的としている。本年度は,個々のドーピング技術に関して実験的な検討を行い、以下のi)-v)の成果を得た。i)置換型不純物ドーピングに関して、不純物濃度制御による発光波長制御および発光効率の改善に成功した。ii)不純物ドープシリコン量子ドットの成長初期段階のラマン散乱スペクトルおよび透過型電子顕微鏡観察を行い、成長メカニズムに関して知見を得た。iii)NREL(アメリカ合衆国)のグループと共同で、フェムト秒過渡吸収分光法により不純物ドープシリコン量子ドットの光励起キャリアダイナミクスを調べ、量子ドット内の自由キャリアの有無とサイズの関係を明らかにした。iv)貧溶媒添加法によるサイズ分離技術により、シリコン量子ドットのサイズ分布を10%以下に抑制し、発光線幅の抑制に成功した。また、ドナー・アクセプタ対発光のピークエネルギーと再結合レートのサイズ依存性を定量的に決定した。v)化学ドーピングの基礎技術として、電子供与体である亜硫酸イオンを溶解した液中のシリコン量子ドットの発光特性を詳細に調べ、亜硫酸イオンから量子ドットへの電荷移動により光励起により生成した余剰キャリアを補償できることを明らかにした。
- ID情報
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- 課題番号 : 18K14092
- 体系的課題番号 : JP18K14092