共同研究・競争的資金等の研究課題

2017年4月 - 2021年3月

放射線シミュレータの革新

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(A)  基盤研究(A)

課題番号
17H01084
体系的課題番号
JP17H01084
担当区分
研究分担者
配分額
(総額)
42,510,000円
(直接経費)
32,700,000円
(間接経費)
9,810,000円

放射線シミュレーションのために最も普及しているソフトウエアであるGeant4を開発し、保守している経験を生かし、GPUを用いた超並列放射線シミュレータMPEXSシリーズの開発とそれに必要な研究を実施している。放射線が入射する物体の形状や物質の記述法を簡略し、超並列化を考慮に入れた計算手法を確立した上で、新たに設計と実装を行った。MPEXS本体は、物体の形状の記述、粒子の追跡、電磁相互作用に関わる物理プロセスを含んでいる。物体の形状として、これまでは、画像診断装置の出力を扱うためにボクセルに限っていたが、より適用例を広げるために様々な形状を扱えるように変更を行い、アプリケーションによっては、計算速度の改善に繋げることができた。原子核相互作用を扱うための拡張パッケージであるMPEXS-hの実装の改善を続け、名古屋陽子線治療センターにおいて、実際の患者データに対する陽子線治療時の線量分布の計算を行う事が出来るようになった。細胞レベルの放射線の影響を見積もるためのソフトウエアであるGeant4-DNAの最新版に追随し、MPEXS-DNAをアップデートし、実装の改善を行うことで計算時間の短縮を図った。MPEXS-DNAをGeant4-DNAと比較した論文をMedical Physics誌に発表した。Geant4-DNA用いIntel XeonプロセッサでG-Valueの計算を行った場合と、TITAN-V GPUで計算を行った場合の比較を行い、結果は誤差の範囲内で一致した。MPEXS-DNAの計算速度は最大で約2900 Xeon コア相当の向上をGeant4-DNAに対して得ることが出来た。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-17H01084
ID情報
  • 課題番号 : 17H01084
  • 体系的課題番号 : JP17H01084

この研究課題の成果一覧

受賞

  1

論文

  1

講演・口頭発表等

  7