2015年9月
日本庭園における地上型3Dレーザスキャナによる図化および景観シミュレーションに関する研究(共著)
東京農業大学農学集報
- ,
- 巻
- 60
- 号
- 2
- 開始ページ
- 93
- 終了ページ
- 102
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 研究論文(大学,研究機関等紀要)
近年,レーザ計測技術の利用が浸透していることから,本研究では造園分野における利用法について検討した.庭園での地上型レーザスキャナの利用は得られた3次元点群データによるアニメーション等,視覚的利用が主流であるが,本研究では平面図の作成,等高線の抽出,ポリゴンモデル作成等による景観シミュレーションを3次元点群データから導き出すことを研究した.まず,3次元点群データはオルソ平面へ書き出しを行うことにより,平面図の作成が可能である.さらに,3次元点群データの持つ位置座標の情報を利用して等高線の抽出を行い,平面図に盛り込むことが可能となる.以上2つの作業から,地上型レーザスキャナの庭園での応用においてこれまで多くの労力を必要とした平面図と等高線の作成のための調査の労力やコストを軽減することができる.また,専用ソフトを利用することで3次元点群データの編集作業を容易に行うことができるため,3次元データ上にて樹木の伐採,抽出,ポリゴンモデルの作成が可能となり,具体的な景観シミュレーションを行うことができる.結果として,造園分野でのレーザ計測技術の活用が,庭園の詳細な内部構造を視覚的に残すことや,平面図作成による庭園の現況の記録への応用に期待できる.